中東のデモと中国の反応について

執筆者:野嶋剛2011年2月18日

エジプトなどでの民主化要求デモを発端とする政治的変化について、中国でどのような反応が見られるのか、しばらく観察してみました。中国でインターネットの検閲などが厳しくなった、中国政府がピリピリしている、といった情報を報じるメディアもありましたが、実態は微妙なようです。

まず、人気サイトや掲示板などで「ムバラク」「エジプト」「デモ」などのキーワードを入れてみますと、ほとんどのニュースや議論を見付けることができますが、一部のサイトで検索がうまくいかないケースもありました。

エジプトなどの政権交代の動きについて、中国の官製メディアは比較的慎重に必要なことだけを淡々と報じていますが、長期政権による腐敗といった背景をあまり強調しないように努めているとも見受けられます。

一方、掲示板などの議論はいたって普通に行われています。笑ってしまったのが、新華社で「中東各國」で民主化要求というニュースが報じられたのについて、「『東』と『各』の二字を取り外してしまいたい」という意見。ほかにも、「次は中国だ」「アラブの人たちに学習したい」「中国で震え上がっている人たちもいる」といった意見が、ずらっと並んでいました。これらは特段削除された様子もありません。

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