台湾選挙の日程で馬英九政権が大技

執筆者:野嶋剛2011年3月30日

 台湾政治でひとつ大きな動きがあるかも知れません。

 馬英九・国民党政権はどうも来年2012年の総統選挙を、日本の総選挙にあたる立法委員選挙とのダブル選挙にしてくる「大技」を繰り出してこようとしているようです。私の予想では、2012年の総統選挙は1月14日か21日の土曜日になります。

 もともと台湾の選挙は1月に立法委員選挙、3月に総統選挙という日程が組まれていました。2008年には、立法委員選挙で国民党が3分の2を占める圧倒的勝利を収め、その勢いをかって総統選挙で民進党から政権を奪還したのです。

 ところが、内部情報によると、今回は、総統選挙を1月に二カ月間も前倒しにしてしまおう、というプランが政権内で固められています。その戦略について、「立法委員を捨て、総統を取る」と、私の友人の馬英九側近は言っています。

 馬英九率いる国民党政権はここ2年ほど選挙で民進党に負けっぱなしです。このままでは総統選挙も危うい、との観測が国民党の世論調査でも出ている、とのことです。立法委員選挙での大幅議席減も不可避という判断があり、立法委員選で負けたまま、総統選挙に突入してはますます不利になります。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。