台湾は来年、総統・立法院のダブル選挙に

執筆者:野嶋剛2011年4月20日

先日、このコラムで台湾の次の総統選と立法院(国会)選挙がダブル選挙にされるかも知れないという見通しを書きましたが、昨日、台湾の選管が正式にダブル選挙を決定しました。

もともと台湾では立法院選挙の2~3カ月後に総統選挙がある日程が組まれるのが通例でしたが、今回はどちらも投票日が来年1月の14日か21日になります。そうなると、総統選まであと9カ月。一気に台湾で選挙ムードが高まりそうです。

このダブル選挙について、馬英九の参謀は2カ月ほど前、私に「立法院を捨て、総統を取る戦略だ」と語って、ダブル選挙の根回しに入ることを教えてくれていました。

次回の立法院選挙では、支持率低迷の国民党の議席減少は確実な情勢です。そこでもし大敗すれば総統選でも野党民進党は勢いに乗り、馬英九再選が危うくなります。

ならば、ダブル選挙で支持者を一気に動員して票を稼ぎ、立法院で多少負けても総統さえ取っておけば、という考え方です。また、旧正月(1月23日)の直前にぶつけることで、対中関係の安定を期待する中国人ビジネスマンが大量に帰国することで、その票も期待できるわけです。なかなか国民党も賢い、という感じですが、党の勢い自体は民進党にあるので、どちらが勝つか、本当に分からなくなってきました。

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