4月28日、訪朝を終えてソウルで記者会見するカーター元米大統領(左)とブルントラント元ノルウェー首相 (C)AFP=時事
4月28日、訪朝を終えてソウルで記者会見するカーター元米大統領(左)とブルントラント元ノルウェー首相 (C)AFP=時事

 3月11日の東日本大震災の甚大な被害と福島原発災害によりメディアの国際報道が薄くなっているが、リビアを含めた中東情勢や朝鮮半島情勢は依然として注視が必要な状況であることに変わりない。新聞やテレビという既存メディアが紙面や時間帯という制約を受けるなかで、本サイトを含めたネットメディアの役割はより重要になっているのかも知れない。  北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は4月の最高人民会議で、3男の後継者、金正恩(キム・ジョンウン)党中央軍事委副委員長やその後見人である李英鎬(リ・ヨンホ)軍総参謀長らを国防委員会入りさせず、後継体制の進展にブレーキを掛けた。旧軍部を代表する呉克烈(オ・グクリョル)国防委副委員長もそのポストを維持した。金総書記は内政では後継勢力の台頭による権力の2元化を抑え、自らの独裁体制を堅持するしたたかさをみせた。  しかし、4月26日から28日までのカーター元米大統領ら国際人道グループ「エルダーズ」代表団の訪朝をめぐる状況の推移は、金総書記の外交手腕の低下を如実に見せつけた。

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