国際会計基準IFRSと「政治主導」

執筆者:フォーサイト編集部2011年7月14日

 大手メディアではほとんど報じられていませんが、一昨日、「行政ウォッチングの部屋」の運営者・原英史さんも参加する「公正な社会を考える民間フォーラム」が、「原発事故の損害賠償に関する公正な処理を求める緊急提言」を発表しました。東京電力の株主や東電に融資をした金融機関など債権者の責任を問わぬまま、真っ先に納税者に負担を強要する原発賠償支援法を厳しく批判する内容で、将来の発送電分離や電力会社の地域独占打破にも道を開くものです。提言には、「東電と長年にわたり密接な関係を築いてきた大手マスコミ」からはこうした声が聞こえてこないとも記されています。フォーサイト・フォーラムでもトピック「東電賠償スキームについて」にご意見をいただいていますが、是非こちらの緊急提言もご覧ください。菅首相は昨日「脱原発」を表明しましたが、問題はその方向性をどういう形で実現するかということです。

 本日の更新記事は、磯山友幸さんの「素人大臣に翻弄される金融庁の非力」です。世の関心は東北の復興、原発事故の処理に集中していますが、霞が関ではいろいろなことが起こっています。国際会計基準IFRSをめぐり、大立ち回りを演じているのは金融担当大臣の自見庄三郎氏。「政治主導」をここまで実現しているのはある意味立派とも言えるのですが……。

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