ポーレンティーの試練

執筆者:足立正彦2011年7月19日

 2012年共和党大統領候補指名獲得争いに出馬した政治家のうち、全米での知名度の低い政治家にとって、全米各州に先駆けて来年2月6日に行われるアイオワ州共和党党員集会で勝利を収めることは特別な意味を持つ(5月31日付コラム「ポーレンティーとロムニーの正式出馬表明の狙い」参照)。ティム・ポーレンティー前ミネソタ州知事もその一人であり、アイオワ州党員集会での勝利を目指して州知事在職当時から足繁くアイオワ州を訪れていた。アイオワ州党員集会で勝利を収めることで全米の有権者やメディアの注目を浴び、その結果、政治献金が増大し、活動家も選挙キャンペーンを支援するなど大統領候補指名獲得争いの序盤戦に「モメンタム(弾み)」をつけることができる。

 ミチェル・バックマン下院議員(ミネソタ州第6区)もアイオワ州党員集会での勝利を契機に選挙キャンペーンに「弾み」をつけたい政治家の一人である。先月13日にニューハンプシャー州マンチェスターで行われた共和党大統領候補討論会でのバックマンの卓越した討論能力は視聴者に強烈な印象を与えた。アイオワ州における最新世論調査でもバックマンに対する共和党有権者の支持率が急上昇しており、トップを走るミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事を猛追している。バックマンは先月27日にアイオワ州で共和党大統領候補指名獲得争いへの出馬表明を正式に行い、今月初旬からはアイオワ州で政治広告を放映し始めている。

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