ペリーの「過去」を擁護する茶会党有力者

執筆者:足立正彦2011年9月12日

 共和党大統領候補レースのトップを走っているリック・ペリー・テキサス州知事は、元々、民主党員であった。今から20年以上前のテキサス州議会下院議員当時の1989年に、民主党員から共和党員に党籍を変更した。1980年代後半から1990年代前半にかけて民主党の有力者を支援したり、あるいはリベラル色の強い政策を賞賛したりしていた経歴がある。

 1988年民主党大統領候補指名獲得争いに出馬していた、当時、テネシー州選出の連邦上院議員であったアル・ゴアをペリーは支持しており、ゴアのテキサス州選挙キャンペーン担当の委員長に就任していた。また、共和党員になった後の第1期クリントン政権前半に、当時、ファーストレディーとしてヒラリー・クリントンが推進しようとしていた医療保険制度改革案を賞賛する内容の書簡を送付していた過去もペリーにはある。こうした過去が、共和党大統領候補の指名を獲得するうえで、ペリーの障害の一つになると見られている。

 実際、今月7日にカリフォルニア州のロナルド・レーガン大統領記念図書館で行なわれた共和党大統領候補討論会で、リバタリアン志向のロン・ポール下院議員(テキサス州第14区)がヒラリー・クリントンの医療保険制度改革案をペリーが賞賛していたことを取り上げてペリー批判を展開した。ペリーが共和党大統領候補指名争いに参入したことで、茶会党からの支援がペリーと重複するポールやバックマンは大きな影響を受けている。クリントン政権当時の医療保険制度改革案を賞賛していたペリーの過去に焦点を当てることは、茶会党支援者や保守系有権者のペリーに対する支持を揺さぶるには何よりの攻撃材料である。

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