10年で世界はどう変わったか

執筆者:フォーサイト編集部2011年9月16日

 本日の更新記事は、会田弘継さんの「国際論壇レビュー9.11から10年――あの日から世界はどう変わったか」です。9.11テロについて「アメリカ人はまだ9.11の出来事から学び続けている」と書いたのはニューヨーク・タイムズ。「10年たっても、まだその『意味』が定まらない」としたのはウォールストリート・ジャーナル。アメリカの有力メディアは、その意味を定義しきれずにいます。一方、『歴史の終わり』のフランシス・フクヤマは、この10年間に起きた出来事の中で、中東の民主化、中国の興隆に比べれば、9.11の歴史的価値は高くないと断じます。あれから10年。世界はどう変わったのでしょうか。  「専門家の部屋」では、「中東」に「錯綜する『カダフィ大佐の居場所』情報をどう読み解くべきか」(畑中美樹さん)の新エントリ。たとえば、国民評議会の中でも、カダフィ大佐を是が非でも拘束したい人たちと、国外逃亡してもらった方が新たな国造りに専念できると考える人たちがいます。欧米諸国でも、カダフィ政権と諜報機関との協力関係暴露を恐れる人たちと、カダフィ大佐が持つアル・カエダ情報を得たいと思う人たちがいます。「居場所情報」が錯綜するのは、これら立場が違う面々の情報操作ということなのかもしれません。

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