経済成長についてふたたび考える

執筆者:2011年9月26日

 明日から韓国出張だ。韓国といっても、終日ソウルのホテルにたれこめての、会議と面談の三日間。日韓経済人会議の末席を汚す。日韓協力してのビジネス展開や資源調達についてお話しするよう依頼された。むろん私は韓国の専門家ではないが、アフリカでの仕事を通じて韓国の方々と接してきた。こんな次第で、しばらくは研究室を出たり入ったりが続く。

 日本経済が成長をやめてから20年。こんなにながい成長停止は、日本のほかにはサブサハラ・アフリカぐらいだという話は以前書いた。なぜ日本が経済成長できないかについては、これまでさまざまなエコノミストが、さまざまに意見を出している。また政府も、それなりの政策はうってきた。自民党時代は公共投資を増やしてみたし、小泉政権下では規制緩和もやった。財政赤字が拡大しているのに増税はしていないし、ゼロ金利政策も異例のながさだった。なのに、成長力はいっこうに回復しない。

 以前にアフリカ経済分析のことについて書いた。やはり20年にわたって経済成長から見放されていたサブサハラ・アフリカを分析することで、開発経済学は経済学の有力分野になったという話であり、その成果とはなんだったかという要約だ。これまたさまざまな要因が経済成長を阻害するものとして挙げられてきたが、日本にも共通するのは貿易開放度の低さだと解説した。

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