ポーレンティーの支持表明でも苦しいロムニー

執筆者:足立正彦2011年9月27日

 先月13日に行なわれたアイオワ州共和党大統領選挙模擬投票(エイムズ・ストローポール)で3位となり、共和党大統領候補指名獲得争いから撤退したティム・ポーレンティー前ミネソタ州知事が、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事への支持を今月12日に表明した。

 ポーレンティーは共和党大統領候補指名獲得争いから撤退する前は、第111議会でオバマ政権が成立させた医療保険制度改革関連法はロムニーがマサチューセッツ州知事時代に署名した同州の医療保険制度改革が先例となっていることをオバマ大統領自身も認めているとして、「Obama」と「Romney」を掛け合わせた「Obamneycare」という造語を使ってロムニーの医療保険制度改革導入を批判していた。現在、共和党の他の候補から標的となっているロムニーの最大の弱点は、オバマ政権が導入した医療保険制度改革法と酷似し、全米に先駆けてマサチューセッツ州の全州民に医療保険加入を義務付けた医療皆保険制度の導入である。

 撤退から1カ月後にポーレンティーはロムニー支持を表明するとともに、ロムニーの選挙キャンペーンの全米共同委員長に就任し、現在、ロムニーに対し助言を行なっている。ポーレンティーはロムニー支持の理由として、米経済が厳しい状況にある中、民間セクターでの豊富な経験を持つロムニーは、現在の経済状況を改善できる資質を持った唯一の候補であることを挙げている。ポーレンティー選対本部の元幹部らもロムニー選対本部に合流してきている。2008年共和党大統領候補選出プロセスでは、ロムニー選対本部で政策委員長や財政規律政策諮問グループの委員に就任していたが、今回は同郷(ミネソタ州)で、20年以上の付き合いがあるとの極めて個人的理由からポーレンティーを支持していたヴィン・ウェヴァー元下院議員も、ロムニー支持を最近表明している。ウェヴァーは、ロムニー選対本部の外交・経済政策担当特別顧問に就任し、ロムニーに対し外交、経済政策について助言している。

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