2011年度のノーベル平和賞は、イエメンのタワックル・カルマン(Tawakkul Karman)が、リベリアの二人の女性政治家・活動家と共に、受賞した。カルマンはイエメンのサーレハ政権を揺るがしている大規模デモの、主要な立役者である。

 ノルウェーのノーベル賞委員会のプレスリリースでは、「『アラブの春』の以前にも以後にも、最も困難な状況下で、タワックル・カルマンは女性の権利とイエメンにおける民主主義と平和のための闘争において主導的な役割を果たしてきた」と意味づけた。

In the most trying circumstances, both before and during the “Arab spring”, Tawakkul Karman has played a leading part in the struggle for women’s rights and for democracy and peace in Yemen.

 カルマンについては、私の『フォーサイト』での連載「中東 危機の震源を読む」の第72回(2月25日)で言及してある。

「イエメンでは、チュニジアとエジプトの例から急速に学習しつつあり、タワックル・カルマン(Tawakkul Karman)のような、既存の野党・反体制勢力とは異なる、市民社会運動に根差した人物が反政府抗議行動の指導者として頭角を現している」

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