チュニジアで10月23日に行われた憲法制定会議選挙の結果がほぼ判明し、中道イスラーム主義政党ナフダ(al-Nahda; Ennahda 復興)党が得票率約41.5%で、全217議席のうち90議席を獲得して第一党となった。ナフダ党は首相候補に幹事長のハマーディー・ジバーリー(Hamadi al-Jibali)を提示し、連立協議を進めている。党首で理念的指導者のラーシド・ガンヌーシー(Rashid al-Ghannushi)は今次選挙に出馬しておらず、役職につかない旨を宣言している。

 アラブ諸国で自由な選挙が行われた場合、少なくとも最初の数回の選挙では、イスラーム主義政党が躍進する可能性が高い。イスラーム教の理念が全てを解決するという信念は多くの国民に共有されていることと、これまで弾圧されながら活動していたことから、前政権に対する唯一のオルターナティブとして、変化を期待する票を多く集めるだろう。首相候補のジバーリーにしても、ブルギバ政権からベン・アリー政権にかけての16年間(2006年まで)投獄された経験を持つ(恩赦で出獄)。

 実際に統治の実権を握ってみて、国民の要求や希求を受け止めてどれだけ結果を出せるか、中道イスラーム主義政党の真価が問われる。

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