TPP攻防戦の「予定調和」

執筆者:フォーサイト編集部2011年11月17日

 昨日オバマ米大統領は、オーストラリアのギラード首相と会談し、両首脳はオーストラリア北部のダーウィンに来年から米海兵隊員を初めて本格的に駐留させることで合意しました。もちろん、アジア・太平洋地域での、中国の影響力拡大を睨んだものです。イタリアでは新首相のモンティ氏が閣僚名簿を公表。新内閣の閣僚には政治家が1人もいないというのですから驚きです。

 本日の更新記事は、野々山英一さんの「TPP攻防戦『出来レース』のカラクリ」です。すったもんだの揚句、何とか「協議入り」にこぎつけたTPP問題。報道を見るとこの間の攻防戦は大騒動ではあったものの、実際には「緊迫」とは程遠い雰囲気でした。慎重派が目指すのは、TPP参加に伴う予算の獲得。しかし、18年前と同じように、予算をばらまくだけで構造改革に結びつかなければ日本の国力は強化できません。そして、今後の交渉をうまく進めていけるのかどうかが、最も重要な問題です。

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