パリは燃えているか?

執筆者:フォーサイト編集部2011年11月25日

 フォーサイト・フォーラムのトピック「宮中晩餐会を欠席した一川防衛相」に、会員の皆様から様々なご意見をいただいています。国賓として来日したブータン国王夫妻を歓迎するため、11月16日に宮中晩餐会が開かれましたが、4人の閣僚が欠席。そのうちの一人である一川保夫防衛相は、晩餐会を欠席して駆けつけた同僚議員のパーティーで、「私はこちらの方が大事だ」と挨拶していた、という「事件」です。この人は就任早々「安全保障に関しては素人だが、これが本当のシビリアンコントロール」と発言して世を呆れさせたこともあり、ご意見のほとんどは厳しい批判です。23日付読売新聞によると、22日に在日ブータン総領事館を訪れ陳謝したそうですが、作家の曽野綾子さんは本日の産経新聞で、一大臣が国王に謝罪することこそが無礼、と切り捨てています。引責辞任は今のところないようですが……。

 本日の更新記事は、青柳尚志さんの「堕ちゆく世界の迷走(15)パリは燃えているか?――欧米を包む『崩壊感覚』」です。ギリシャ、イタリアへと飛び火したユーロ危機が次に向かう先はフランス。これまでフランスの銀行はイタリアをビジネスの金城湯池としており、イタリア向け与信が焦げ付けば、フランスの金融機関の屋台骨が揺らぎます。フランスはドイツと並ぶユーロ圏の中核国。フランスが揺らげば通貨ユーロへの信認が揺らぎます。

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