「高止まり原油価格に「逆オイルショック」の懸念」という興味深い記事が本誌に掲載された。

http://www.fsight.jp/article/11157?ar=1&page=0,1

 これに関連して、中東を見ている者にとって気になる発言が1月半ばにあった。サウジアラビアのアリー・ナイーミ石油相が1月16日に行った「原油1バレル100ドル前後で安定させることを望んでいる」という発言である(“Saudi Arabia targets $100 crude price,” Financial Times, January 16)

http://www.ft.com/cms/s/0/af13f09c-405f-11e1-9bce-00144feab49a.html#axzz1kxLZHivV

 サウジアラビアは2008年11月以来、「原油1バレル75ドルが適正」という立場を公式に取って来た。サウジの国家予算も原油価格がこの水準であれば十分に黒字幅を確保するということになっていた。ここには暗黙の参照点があって、それはイランである。イランの財政は1バレル75ドル水準では苦しく、それがサウジへの生産抑制・原油価格つり上げの要請につながり、対立点になって来た。サウジが公然と「1バレル100ドル」を容認するどころか望むというのであれば、イランとの原油価格に関する対立点はなくなってしまう。

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