オバマ米大統領とエルドアン・トルコ首相は、2012年3月25日、原子力サミットに出席するため訪問した韓国の首都ソウルで会談し、シリアの反政府武装勢力に支援が必要なことで合意した。ベン・ローデス米国家安全保障担当副補佐官によれば、支援物資には通信設備も含まれる。

 また両首脳は、2012年4月2日にトルコのイスタンブールで開催予定の第2回「シリアの友人たち」会合において、支援物資の具体的な内容や反政府武装組織への医薬品などの供与について協議することでも合意した。オバマ米大統領は、シリアの国民を代表する合法的な政府に移行するためのプロセスが必要となることで両国は意見を一致させたと述べ、米国とトルコがアサド・シリア政権に見切りをつけていることを示唆した。

 他方、エルドアン・トルコ首相は「シリアから1万7000人の難民がトルコに逃げてきた。反政府勢力に対する弾圧が引き起こした人道上の危機に対して傍観者でいることは出来ない」(ミドル・イースト・オンライン 2012年3月25日)と語り、シリア国民の窮状を救うために積極関与する姿勢を明らかにしている。

 シリアの反政府武装勢力に武器類を供与することについては、オバマ米政権にはとまどいがあるようだ。送った武器類がイスラム過激派の手に渡る懸念を拭えないことや、反政府武装グループの素性が今一つ定かでなく自信を持てないためである。なお、米国はリビア型の連合国による軍事介入をシリアでは行なわないことを明確にしている。

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