韓国総選挙、開けてみれば与党が過半数

執筆者:平井久志2012年4月15日

 韓国の総選挙(定数300、選挙区246、比例区54)は朴槿恵(パク・クンヘ)氏が率いる与党・セヌリ党が152議席(選挙区127、比例区25)を獲得し単独過半数を獲得した。今年の初めには、選挙は野党圧勝で、セヌリ党は100議席獲得も難しいとされたが、選挙戦に入るにつれて接戦となり、前回選挙の162議席からは減らしたものの、逆風を乗り越えたという意味では、与党の「圧勝」ともいえる結果になった。

 野党は民主統合党が127議席(選挙区106、比例区21)、統合進歩党が13議席(選挙区7、比例区6)で合わせても140議席。民主統合党は過半数どころか、第1党になれなかった。このほかでは保守で忠清道を基盤にする自由先進党5議席(選挙区3、比例区2)、無所属3議席という結果だった。

自滅した野党

 韓国の総選挙は今年12月の大統領選挙の前哨戦として注目された。若者に人気のある安哲秀(アン・チョルス)ソウル大学教授が昨年10月に行なわれたソウル市長選に関心を示したことが無党派層の政治的関心を一気に高めた。結局は安哲秀教授が朴元淳(パク・ウォンスン)弁護士に候補を譲り、朴弁護士支持を表明した。無所属で立候補した朴元淳弁護士が無党派層の支持を集めて圧勝したことで、韓国で新たな政治の流れが表面化した。

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