逆転、また逆転の民主統合党代表選

執筆者:平井久志2012年5月28日

 4月11日の総選挙を終えて、与党のセヌリ党と野党第1党の民主統合党は12月の大統領選挙に向けた体制整備に向かっている。

 与党のセヌリ党では5月9日に19代国会議員選挙に当選した議員による選挙で、同党の院内代表に、大統領候補に確実視されている朴槿恵(パク・クネ)非常対策委員長の経済政策ブレーンである李漢久(イ・ハング)議員を選出した。政策委員会議長にも朴槿恵氏系の陳永(チン・ヨン)議員が選出された。

 さらに、5月15に開催された全党大会でも、朴槿恵委員長に近い黄祐呂(ファン・ウヨ)議員を党代表に選出した。黄代表と李恵勲(イ・ヘフン)議員、沈在哲(シム・ジェチョル)議員、鄭宇沢(チョン・ウテク)議員、兪奇濬(ユ・ギジュン)議員の5人が党の執行部を担う最高委員に選出されたが、沈議員を除く4最高委員はいずれも親朴派で、朴槿恵委員長は大統領選挙を目指し、自派による体制固めをほぼ終えたといえる。

 セヌリ党では金文洙(キム・ムンス)京畿道知事、鄭夢準(チョン・モンジュン)元ハンナラ党代表、李明博(イ・ミョンバク)大統領に近い李在五(イ・ジェオ)議員らが同党の大統領候補に名乗りを上げているが、党内固めを終えた朴槿恵委員長を破るのは難しい情勢だ。

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