5月17日付のコラムで、投資会社ベインキャピタルCEO当時のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事の経営手腕を厳しく批判するオバマ陣営の選挙キャンペーンについて取り上げた。今回は、ロムニー陣営のバラク・オバマ大統領の経済失政に関する選挙キャンペーンに焦点を合わせたい。

 オバマ大統領は2009年1月の政権発足直後から、新産業の育成、環境保護の強化、あるいは、地政学的リスクが高い中東産原油に対する過度の依存からの脱却というエネルギー安全保障の確立といった観点から、再生可能エネルギー政策を重視する姿勢を鮮明にしていた。オバマ政権は「グリーン・ニューディール政策」を積極的に推進する一環として、エネルギー省(DOE)が太陽光発電や風力発電をはじめとするクリーン・エネルギー普及に向けて連邦政府の融資保証を供与するプログラムを導入した。カリフォルニア州フレモントを本拠地とした最先端太陽光発電用パネル製造企業であったソリンドラにも総額5億3500万ドルもの巨額の融資保証が供与されている。オバマ大統領自身も昨年5月にソリンドラの本社を訪れた際、クリーン・エネルギー企業の象徴としての同社を取り上げるとともに、自らが政権発足直後の2009年2月に成立させた大型景気刺激策「2009年米国再生・再投資法(ARRA)」の具体的成果としても大々的に誇示していたのである。

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