英国のエリザベス女王在位60年を祝う午餐会が5月18日、世界の君主を招いてロンドン郊外のウィンザー城で開かれた。天皇、皇后両陛下も出席したが、一見なごやかな“君主ファミリー”の集まりも国際政治や儀礼と無縁とはいかなかった。
 20世紀初頭、君主国家は約100カ国あった。しかし1世紀の間に革命や体制転換などで今は約30カ国(英女王を元首とする英連邦を除く)。このうち26人の君主と君主の代理の王族が出席した。英国との間にジブラルタル領有権問題を抱えるスペインのソフィア王妃は、直前に出席を取りやめた。
 出席した26人の君主・王族も、全員が英世論に温かく迎えられた訳ではなかった。英メディアの批判を浴びたのはバーレーンのハマド国王。昨年来、反体制派を武力で取り締まっており、英元外務次官は「国民を武力で弾圧するような君主を招くべきでない」と批判した。英外務省は「午餐会は政治的イベントではない」と弁明した。
 メディアが皮肉混じりに取り上げたのはアフリカ南部のスワジランドのムスワティ3世国王。13人いる妻のうち第3夫人を同伴した。「国民が貧しさにあえいでいるのに贅沢な暮らしをしている」と英紙は書いた。

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