エジプトの大統領選挙の決選投票が6月16・17日に行われた。各投票所で開票が行われ、結果が中央に集まってくる過程だが、投・開票の過程が各候補の監視員やメディアに公開されているため、よほどの接戦でない限りは半日ほどで大勢が判明する。

 18日の午前3時50分ごろから、ムスリム同胞団の推薦候補ムハンマド・ムルスィー候補陣営が記者会見を始めた。それによれば、97.6%の開票段階で、ムルスィー候補が52.5%の得票率で当選確実と発表した。続いてムルスィー候補自身が演説を行い、国民統合を訴えた(アル=ジャジーラなどテレビ各局の中継。この項は現地時間4時30分現在の情報に基づいている)。

 第一回投票ではムスリム同胞団が最も早期・正確に開票推計を行ったため、その発表の信頼性は高い。また、旧体制・軍が支持するシャフィーク候補を当選させるための不正行為が決選投票では危惧されるため、早めに勝利宣言をして開票過程の不正常な動きを阻止しようとする戦略でもあるだろう。シャフィーク陣営は敗北を認めておらず、公式の開票・集計によって結果が覆る可能性がないではない。

 国軍最高評議会はまさに投票最終日の17日に、新大統領の権限に制約を課す「憲法宣言追加条項」を発出した。これは昨年3月に国軍最高評議会が発出した「憲法宣言」を補うものだが、ムスリム同胞団の大統領当選を見越して急遽出したものという印象だ。軍の人事権や予算への大統領・議会による統制を排除し、開戦など重要事項の決定について国軍最高評議会に最終決定権を持たせる内容である。
http://english.ahram.org.eg/NewsContent/1/64/45350/Egypt/Politics-/English-text-of-SCAF-amended-Egypt-Constitutional-.aspx

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