まさか日中の因縁浅からぬ盧溝橋事件勃発の7月7日を意図的に選んだわけでもないだろうが、野田首相は尖閣諸島の国有化を打ち出した。早速というべきか、案の定というべきか、タイの代表的華字紙の『世界日報』(7月11日)が社説で、野田政権に対し断固たる処置を採れと、北京政府を嗾(けしか)ける。題して「北京よ、野田による釣島の『国有化』を阻止せよ」である。なお「釣島」「釣魚台」「魚釣島」「南海問題」「保釣」などの表記は原文のまま。



――思いもよらないことだが、中日全面戦争を引き起こした盧溝橋事件75周年だというのに、いままさに、もう1つの中日戦争の暗い陰が迫ってきている。今回のホット・ポイントはあの領土をめぐる紛糾甚だしい釣魚台の島々だ。だが挑発したのは日本である。日本最大の新聞である「朝日新聞」(7月7日)がトップで報じたところに拠れば、日本民主党の野田政権は関係者を東京都知事の石原慎太郎の許に差し向け、日本は今年年末までに釣魚台島嶼の魚釣島、南小島、北小島の3島を国有化すると告げると同時に、釣魚台島嶼の現在の「島主」といわれる栗原家と協議を続けているとのことだ。これより以前、日本沖縄県石垣市の2人の市議が北小島に上陸し領有を宣言している。

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