共和党と民主党の党大会が終了した。引き続き接戦ではあるが、得点を上げたのは現職のオバマ陣営だった。ギャラップ社のデイリーベースの世論調査のトラッキングによれば、共和党大会(8/27-30)と民主党大会(9/3-6)の間の支持率はオバマ対ロムニーで47%対46%であったが、民主党大会後は49%対44%と明らかにリードを広げた。また、オバマとロムニーの指名受諾演説について、素晴らしい(excellent)と良い(good)の合計が、オバマの43%に対して、ロムニーは38%という差がでた。

 今回の両党大会を通して、ベストの演説と指摘されているのが、民主党のビル・クリントン元大統領の演説だった。クリントンは、オバマの経済政策が的確であり、少なくとも4年前よりも状況をよくしており、自分を含めて他のどのような大統領が取り組んでもオバマ以上の結果を残すことはできなかった、というメッセージを有権者に送った。これは、オバマ大統領本人が話せば自己弁護となって効果が薄く、経済学者が説明しても人々にアピールしない。かつて米国の経済の黄金時代をつくりだしたクリントン大統領ならではの、見事なスピーチだった。特に、共和党に対して、「自分たちが混乱を作り出しオバマに放り投げ、オバマが後始末をしていてまだ終わっていないのに、自分たちにやらせろといっている」という構図は、わかりやすかった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。