中国広東省深圳にある華為技術有限公司(ファーウェイ・テクノロジーズ)の本社 (C)AFP=時事
中国広東省深圳にある華為技術有限公司(ファーウェイ・テクノロジーズ)の本社 (C)AFP=時事

 世界でスタンダード的な雑誌は何か――と聞かれて、英週刊誌「エコノミスト」を挙げるインテリは少なくない。 「消費税増税を決断した理由」について、野田佳彦首相は、「日本人になる(Turning Japanese)」という見出しのエコノミスト誌2011年7月30日号の巻頭記事を挙げた。着物を着たオバマ米大統領と、着物にかんざし姿のメルケル独首相を並べた挿絵に、「西側先進諸国が指導力を欠いているのは驚くべきこと」という脇見出し。日本の政治家の指導力欠如は今や世界の常識というわけだ。  2006年10月26日号の同誌は「正しい大陸に間違ったモデル」という見出しで、中国のアフリカ進出に警戒を呼び掛け、それ以後西欧諸国の中国警戒感が強まったこともあった。  そのエコノミストが8月4日号で、エリクソン(スウェーデン)に追い付くほどの勢いを示す世界最大級の通信機器、中国の華為技術有限公司に関する特集記事を掲載。表紙で「華為を恐れるのは誰か」と問い掛け、華為を市場から締め出すことに反対を表明している。  華為は異例なことに、英国諜報機関、政府通信本部(GCHQ)の協力を得て「安全」を保障されているというのが同誌の主張。GCHQは世界最大の盗聴機関、米国家安全保障局(NSA)の姉妹機関。戦時の通信傍受協力以来、米英は緊密な関係にある。だが、米国内ではなお華為不信は非常に強い。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。