李雪主夫人の「潜伏」は妊娠のためか

執筆者:平井久志2012年10月30日

 北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の夫人・李雪主(リ・ソルジュ)氏が10月29日、公式の場に52日ぶりに姿を見せた。

 李雪主夫人は、竣工を控えた平壌民俗公園と統一通り運動センターを金正恩氏が視察した際に同行したことが先月7日に報じられて以来「潜伏」を続け、その理由などについてさまざまな見方が出ていた。

 朝鮮中央通信は10月29日、金正恩第1書記が▽金日成(キム・イルソン)軍事総合大学の教職員と記念撮影▽金日成軍事総合大学に建てられた金日成主席と金正日総書記の銅像の除幕式に出席▽金日成軍事総合大学創立60周年記念の牡丹峰楽団の公演鑑賞▽金日成スタジアムで行なわれた第12回人民体育大会のサッカー体育団の決勝戦を観覧――と、合わせて4件の公式活動を報じた。李雪主夫人はこのうち牡丹峰楽団の公演鑑賞とサッカー競技観覧の2件に同行した。

 金正恩氏の公式活動が報じられるのも10月14日に万景台革命学院と康盤石(カン・バンソク)革命学院創立65周年慶祝大会の参加者と共に記念写真を撮ったことが報じられて以来約半月ぶりだった。

 李雪主夫人が9月7日以来、北朝鮮メディアに登場せずに「潜伏」した背景については諸説が出た。▽李雪主夫人が2人目の子供を妊娠し活動を控えている▽健康がすぐれない叔母の金慶喜(キム・ギョンヒ)氏のシンガポールへの入院に同行するなど看病中▽李雪主氏が公式活動で金日成バッジを付けなかったので保守から批判を受け自重▽金正恩氏と手をつないだりミニスカートをはいたりする破格的な行動に保守層の反発があり自重▽7月以来、あまりにメディアに露出したのでメディア戦略などを調整中――など様々な見方が出た。

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