好事魔多しというべきか。

「プラハのアメリカン・ドリーム」と自画自賛しながら、来年1月のチェコ大統領選に立候補した日系人トミオ・オカムラ氏(40)が候補者資格を認められず、失格となった。

 チェコ内務省がオカムラ氏の立候補に必要な数の署名がそろっていないと判断したもので、これに対しオカムラ氏側は法的措置に踏み切る波乱の展開となった。法廷闘争が泥沼化すれば、大統領選の日程に遅れが出る懸念も生じている。

 日本人を父に、チェコ人を母に持ち、東京で生まれたオカムラ氏はプラハを拠点に観光ビジネスで成功。テレビ出演で知名度を上げ、一躍、時代の寵児となった。10月には上院選に出馬して当選、余勢を駆って大統領選に出馬を表明した。立候補には5万人の署名が必要だが、オカムラ氏は余裕で6万2000人の署名を提出していた。

 ところが、内務省はそのうち2万6000人分が無効であると判断、オカムラ氏の立候補を認めず、門前払いとした。オカムラ氏とともに他の2人も規定の署名数に達していないと判断され、失格となった。

 内務省は定住所を記載していない署名を無効と判断したようだが、オカムラ氏側は、氏名と出生証明書の番号が書かれており、これらのデータで署名者の本人確認が可能だと主張している。

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