先週から今週にかけて、中国で官報系メディア、いわゆる「党の舌」の役割を担っている人民日報などが相次いでネット言論の規制強化をにおわせる論評を載せた。新しい法体系の必要性を唱え、事実に基づいた言論が大切だという論議を呼びかけている。しかし、その裏には、中国で習近平体制の発足後、「網絡反腐」(ネットを通じた反腐敗運動)が広がっていることから、その動きを押さえ込もうという思惑があると見られている。

 重慶市の地方幹部の破廉恥な行為が、中国版ツイッター「微博」を通じて11月にネットに流出し、ネット住民たちから「網絡反腐」の成功例としてがぜん注目を集め、その後もネット上にさまざまな事例が「告発」されていった。

 これに対し、今月23日の共産党機関紙人民日報は「限界線があってこそ、健全になれる」との記事を掲載。さらに相次いで、「ウエブは治外法権の地ではない」「インターネット:法律による管理が各国の常識だ」という記事を掲載した。

 また、党中央宣伝部直轄の光明日報も「情報を安全に保護する大きな傘を持つのは誰か」「ウエブの世界に法治の限界線を設けよ」などの文章を載せている。そこにはこう書かれている。

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