昨年11月から12月にかけて、アメリカとアジアの主要国で選挙が行なわれ、新たなリーダーが誕生した。わが国でも、自民党が政権に復帰した。

 今回の総選挙で自民党は、民主党の外交・安保政策を批判し、領土問題を巡って周辺国に対して、より強固な外交姿勢をとることを訴えた。安倍晋三氏は、選挙戦の主張の中で、憲法改正、集団的自衛権の行使容認、国防軍の創設といった防衛・安保に関する主張とともに、従軍慰安婦問題に関する河野談話の見直しを主張した。

 

もはや「少年官邸団」ではない

 「理性的」にスタートした新安倍政権 (C)EPA=時事
「理性的」にスタートした新安倍政権 (C)EPA=時事

 2度目の総理となった安倍氏が、これらの「公約」実現にどのように「再挑戦」するのか、日本国内のみならず、中国・韓国も大きな関心を持って見守っている。

 韓国大統領が竹島を訪問し、中国が尖閣に対する攻勢を強める中で、こうした安倍氏の主張は、世論の支持を得た。「票にならない」と言われてきた外交・安保問題を選挙の争点として勝利したことで、安倍氏は公約実現に自信を新たにしたに相違ない。

 だが、総理に就任した安倍氏は、経済では思い切った政策を打ち出す一方、安保政策では、むしろ慎重に事を進めようとしている。

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