中国が中南米での軍事プレゼンス確立を目指す長期的戦略を打ち出しつつあるとの見方がある。 ニューヨークの国連本部に最近入った情報によると、中国は中米のハイチに展開している国連主導の平和維持部隊に百人を超える「特殊警察部隊」を派遣すると連絡してきた。中国が中南米に自国の部隊を送るのはこれが初めて。 国連外交筋は「カリブ海での港湾施設、漁業や石油・鉱物資源を追求する戦略に基づき、まずハイチに進出し、ゆくゆくは中南米に軍事プレゼンスを築こうとする狙いがある」と指摘。ハイチは現在、台湾と外交関係を維持しているが、それを承知で同国に入り込もうとすることに「中国の並々ならぬ決意が感じられる」(米国務省筋)と見る向きもある。 また、中国は密かにキューバにも軍事物資を送り、軍事分野で協力する意向をカストロ政権に伝えたとの情報も流れている。特に米国務省が懸念しているのは、中国が反米の急先鋒、ベネズエラのチャベス政権に軍事訓練要員や情報要員の提供を申し出たとされること。中国の中南米戦略が始動すれば米国を悩ますのは確実だ。

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