北朝鮮は1月28、29両日、平壌で朝鮮労働党第4回細胞書記大会を開催した。労働党はこれに先立つ1月23日に政治局会議を開催し、同28日に細胞書記大会を開催することを決定した。「細胞」というのは共産党組織の最末端組織で、各職場や地域で数人から20人程度で構成され、細胞書記はその責任者である。これまでは1991年5月、1994年3月、2007年10月に開催された。党政治局は今回の大会を第4回とし、細胞書記大会を「制度化する」としていることから、今後は定期的に開催される可能性がある。

 金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は細胞書記大会を1万人規模で開催することは金正日(キム・ジョンイル)総書記の「遺訓」であったと開会の辞で明らかにした。

 今回の党細胞書記大会では金正恩氏が開会の辞、演説、閉会の辞と3回にわたって演説し、この会議を重要視していることを示した。

 金正恩氏は演説で昨年12月の人工衛星打ち上げに言及した後に「今はもうわれわれが帝国主義者との対決で主導権を確固として握るようになり」と指摘し、人工衛星打ち上げを帝国主義との対決の一環と位置付けた。核実験についての言及はなかった。

 金正恩氏は演説で「人民に奉仕する」ことを強調し「権力をふるい、官僚主義的にふるまう者こそ、わが党が断固と戦うべき主な闘争対象である」と党の官僚主義を激しく批判した。「党が権力乱用と官僚主義をなくすことについて強調すると、思想闘争会議を開いて幾人かの幹部を処分するにとどまり、幹部を革命化する活動を根気よく行なっていない」と党の姿勢を批判した。その上で党が大衆の中に入れと党員の尻を叩いた金正恩氏は、「細胞書記は、老練な大衆活動方法を身につけなければならず、大衆の前で踊りもおどり、歌もうたい、アジ演説もできる万能家になるべきだ」と具体的な注文までした。

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