米空軍の大型無人偵察機「グローバルホーク」(c)時事[米空軍提供]
米空軍の大型無人偵察機「グローバルホーク」(c)時事[米空軍提供]

「全球鷹、撃ち落としました」――中国筋は明かした。昨秋、米国は北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射を監視するため、以前よりも頻繁に無人偵察機グローバルホーク(中国語表記は全球鷹)を北朝鮮に送り込んでいた。しかもグローバルホークは「中朝境界をも越え、中国上空に何度も侵入した。意図的なのは明白。我慢の限度を超えた」という。中国はグローバルホークを撃ち落として、米に中国の防空能力を見せ付けると同時に、「北に対しても重要なシグナルを送った」と同筋は言った。

 中国は従来、不測の事態を恐れて水面下では中朝国境地帯の軍事力を強化しながら、一方で北の疑念や誤解を招かないよう、攻撃的な兵器はできる限り前線から遠ざけてきた。防空体制も、低中高度のミサイルを備えながら、「軍事上の必要がないとみなした」(同筋)高高度向け迎撃用ミサイルは配備していなかった。

 瀋陽軍区の佐官級幹部によると、今回の作戦は「党中央指導部の指示・許可を得て周到に準備した」という。「遠くから高高度対空ミサイルを取り寄せ、境界沿いに据え付けた。狙ったグローバルホークの飛行高度は2万5000メートル、命中しました」――首都防空部隊から急ぎミサイルを運び込んだようだ。また一般にグローバルホークの巡航高度は1万8000~2万メートルとされており、中国上空に入って高度を上げたとみられるという。

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