十年ぶりの献金再開を機に、政治への関与を強める経団連。自民・民主を天秤にかけつつ、影響力の拡大を目指す。「民主党が(自民党に)かなり接近した。前回に比べ、民主党が好意的に見られているのは大きな変化だ」 七月、静岡県で開かれた東富士夏季フォーラム。日本経団連事務局による「政党の政策」第二次評価案を一瞥し、奥田会長はそう感想を漏らした。 今年一月に、政党の通信簿ともいえる初の政党政策評価をまとめてから九カ月。一月時点では空欄になっていた実績評価、つまり政党が掲げた政策が法律として成立したかどうかの判断を盛り込んだ第二次評価が、いよいよ九月下旬にも公表される。 今年五月の総会で「闘う経団連」を掲げ、二期目に突入した奥田碩・経団連会長は、約十年ぶりに再開した政治献金を原動力に政治との距離を急速に縮め、財界の影響力を取り戻そうとしている。 経団連は平岩外四会長(東京電力)時代の一九九三年に、業界ごとに金額を割り振る「斡旋方式」の献金の中止を決めた。以来、豊田章一郎(トヨタ)、今井敬(新日鉄)の二人の会長が再開のタイミングを探ったが、ことごとく実現できず、二〇〇二年五月の旧経団連と日経連の統合の際も、献金再開の道を探ったが断念。政治への影響力を取り戻すことは、まさに悲願となっていた。

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