十二月に閣議決定される新しい「防衛計画の大綱」を受けて、自衛隊に新設される「国際待機部隊」の陣容が見えてきた。「日本の独自判断による海外派遣」の主役、陸上自衛隊は司令部組織として「中央即応集団」を埼玉県の朝霞駐屯地に新設。パラシュート部隊の第一空挺団、大型輸送ヘリからなる第一ヘリコプター団、発足したての特殊作戦群など、機動性のある既存部隊を指揮下に収める。 ただ、これらはもっぱら国内活動向けで、国際活動の主役は「国際待機部隊」。全国に五つある方面隊ごとに持ち回りで、最大千人程度の海外派遣要員を指名しておく形になる。二百人程度の「緊急展開部隊」も設け、先遣隊として現地入りする語学や海外活動のエキスパート集団とする予定だ。 現在は方面隊からかき集めている装備品も独自に保有。イラクで使用中の軽装甲機動車、装輪装甲車、高機動車などを朝霞駐屯地に置き、派遣命令を受けて航空自衛隊の輸送機で現地へ送り込む。 派遣先は「論理的には世界全域」と陸自幹部の鼻息は荒いが、米軍が注目するのは中東から北東アジアまでの「不安定の弧」。行く先はこの範囲となりそうだ。

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