中国が、パキスタンと国境を接する世界第二の高峰K2(ゴッドウィンオースティン山)周辺でのパキスタンの活動に懸念を抱いている。 一九六三年に中パが結んだ国境協定でパキスタンはジャム・カシミール州の紛争地域のうち、およそ一万三千平方キロの支配地域を中国に割譲した。 ところが、パキスタンは最近、米国の地学調査団によるK2山頂の調査を許可。中国側は、この調査団が中国の通信を傍受する施設を建設するのではないかと疑い、ベラルーシの企業を介して衛星による調査隊の遠隔監視を行なってきた。 その結果、中国政府は、パキスタン当局がK2周辺にある氷河に由来する水流三カ所の流路を、パキスタンの一部に水資源を供給するために変更していることを発見。この作業にはカザフスタン技術者も関わっていた。中国側は、パキスタン政府に対し、国境協定によって割譲された地域から、一行を退去させるよう求めたという。 もっとも、六三年の中パ国境協定は、固定的なものではなく、インド・パキスタン間の領有権争いが解決すれば、中パ間の国境も見直しが可能となっている。

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