共和党内において依然として大きな影響力を持つ元ホワイトハウス高官の政治コンサルタントと保守派団体指導者らとの間で、今後共和党が進むべき方向を巡っての対立が表面化してきている。対立のきっかけとなったのは、ジョージ・W.ブッシュ大統領の大統領選挙キャンペーンを指揮して大統領選挙での2度の勝利に大きく貢献した共和党系政治コンサルタントのカール・ローヴが率いる政治団体の、2014年中間選挙に向けた新たな取り組み方針である。

 ジョージ・W.ブッシュ政権で大統領上級顧問(政治担当)兼大統領次席補佐官としてホワイトハウスで絶大な影響力を誇っていたローヴは、来年11月に行なわれる中間選挙を視野に入れ、自らが率いる政治団体「コンサーバティブ・ヴィクトリー・プロジェクト(Conservative Victory Project)」の活動強化を図りつつある。同団体の目的は、共和党予備選挙で高い資質を持った候補を支援し、連邦議会本選挙で民主党候補に勝利して共和党の議席拡大を図ることであり、最近、莫大な資産を持つ共和党系の政治資金提供者(ドナー)の支援を受け、2014年中間選挙で勝利できる候補の選定のテコ入れを図る方針を明らかにしたのである。こうした「コンサーバティブ・ヴィクトリー・プロジェクト」の動きに対し、保守候補を擁立して共和党の保守化を推進しようとする保守派団体の指導者らから強い反発が起こっている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。