経済チームは玄旿錫(ヒョン・オソク)経済副首相内定者=韓国開発研究院(KDI)院長=と趙源東(チョ・ウォンドン)青瓦台経済首席秘書官(前租税研究院長)がコントロールタワーだ。2人とも忠清道出身。京畿高―ソウル大学というコースも同じで、いずれも経済企画院出身の経済官僚だ。韓国の経済官僚の主流は日本の財務省にあたる旧財務部。経済政策を総括した旧経済企画院は日本の経済企画庁と似ている(1994年に財務部と経済企画院が統合され財政経済院に。これが98年に財政経済部に改組され、さらに2008年に企画予算処と統合して企画財政部となった)。

 過去の政権では、主流の旧財務部出身者が経済政策の司令塔になることが多かったが、今回は旧経済企画院出身者による経済運営となる。これと釣り合いを取る意味もあるのか、朴槿恵(パク・クネ)大統領は3月2日、金融委員長には旧財務部出身の申齊潤(シン・ジェユン)企画財政部第1次官を起用した。

 

「経済民主化」は可能か

 気になるのは2人とも経済成長優先論者という点だ。玄旿錫内定者は最近のインタビューでも「経済民主化よりは経済先進化が優先」と答えている。

 朴大統領は大統領選挙で財閥への規制を含めた「経済民主化」を公約に掲げてきた。しかし、政権引き継ぎ委員会は2月21日に▽雇用中心の創造経済▽一人一人に合わせた雇用と福祉▽創意教育と文化がある生活▽安全と統合の社会▽幸せな統一時代の基盤構築――とする朴政権の5大目標を発表した。公約の中心課題として掲げた経済民主化への明確な言及がなかった。このために、経済民主化路線がやや後退するのではという見方が出た。

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