退位表明直前のローマ法王が神学生たちと共にした夕食会
2013年3月13日
ローマ法王は身内としか食事を共にしない。身内とはバチカン(ローマ法王庁)の枢機卿、教会の神父、神学生といったカトリックの関係者である。毎年、数多くの国の首脳が拝謁に訪れ、新任の大使が信任状を奉呈するが、法王がそのために饗宴を開くことはない。
また逆に法王が外国を公式訪問しても、その国の首脳主催の歓迎式典でシャンパンのグラスを手にすることはあれ、食事のもてなしを受けることはない。世俗世界の人とはテーブルを囲まないのが法王の鉄則だ。
退位したベネディクト16世の後任の法王を選ぶコンクラーベ(法王選挙会)が3月12日からバチカンで始まったが、そのベネディクト16世が退位を表明する3日前の2月8日、神学校で神学生らと夕食を共にしたことを知った。夕食会に出席した友人の谷口幸紀神父が教えてくれた。
ヘリコプターで登場したベネディクト16世
ローマ市内には神学校が4校あるが、ベネディクト16世が訪れたのはコレジオ・レデンプトーリス・マーテル神学院。警備は厳重で、神学生たちは事前に金属探知機で検査を受け、要所には何人もの警護員が張りついた。バチカンと神学院はテベレ川を挟んで3キロ足らずだが、法王はヘリコプターでやって来た。
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