イスラエル、エジプト、アフガニスタン、パキスタン、イラク……。以上の5つの国は、どのような分野の「トップ5」だろうか。

 答は、米国政府の対外援助の国別供与額で、毎年必ずトップ5に入る国々だ。イスラエルは言わずと知れた米国にとっての「特別な国」であり、米国は1987年以降、イスラエルと同額の援助をエジプトに供与し、ある種の勢力均衡を図ってきた。アフガニスタン、パキスタン、イラクはブッシュ前政権の始めた2つの戦争の「現場」であり、米国が民生と軍事の両分野で多額の援助を投下するのは当然と言える。いずれも米国の外交・安全保障政策の根幹に関わる国であり、米国の対外援助計画が戦略的発想に基づいていることを改めて感じさせる。

 

 では近年、これらトップ5に次いで多額の援助を受け取っている「第6番目の国」はどこか。これを的中させた読者は、かなりの米国通、または各国の援助動向に精通した方ではないかと思う。

 答はケニアだ。米議会調査局が今年2月末に公表した報告書によると、米国は2011会計年度に約8億7400万ドル、2012会計年度に約8億4400万ドルの援助をケニアに供与した。これらの援助には開発援助と人道支援の両方が含まれる。

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