根性なし揃いの「中二階」組

執筆者:2004年12月号

 自民党には性根の据わった政治家が一人もいなくなってしまったようだ。「小泉首相はまるで独裁者だ」などとぶつぶつと不満を漏らす政治家は掃いて捨てるほどいるが、だれ一人として政権打倒に立ち上がる者がいない。だれも立ち上がろうとしないから、世間は「政権を任せられる人物が小泉首相以外に見当たらない」と不承不承小泉支持に回る。いまの日本はこの悪循環の轍にすっぽりとはまってしまっている。 来年(二〇〇五年)は政局激動の年になるという予測が永田町で飛び交っている。郵政事業民営化、三位一体問題で小泉政権は自民党議員の多数と敵対することになり、衆議院解散か総辞職かという瀬戸際に追い込まれるというのだ。 こういう話は三年半前に小泉内閣が誕生してから何度か聞かされたことがある。しかしながら、毎度、大山鳴動して鼠一匹どころか、鼠さえ出ることなく終わってしまう。この三年半、小泉首相の独り相撲に終始してきたのである。イラクに派遣している自衛隊を十二月の期限(一年)切れに際して延長するかどうかについて「延長は慎重にすべきだ」と加藤紘一、亀井静香、古賀誠の三氏が首相に申し入れた。大物政治家が首相官邸を訪れて申し入れをすることなど、めったにない。

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