ハワード首相が再選されたオーストラリアと、ユドヨノ政権が誕生したインドネシアに防衛面で関係改善の兆しが見えてきた。 オーストラリア政府は、一九九九年の東ティモールの住民投票後に併合派民兵が起こした騒乱を、背後でインドネシア国軍が操っていたとして、インドネシアとの軍事協力を停止してきた。だが、テロとの戦いで協力を得たいオーストラリアは、最近になって態度を軟化させている。 これまで「人権侵害の尖兵」と指弾してきたインドネシア陸軍特殊部隊との関係を昨年八月に修復。両国に東ティモールを加えた三カ国間でテロ対策合意に調印したのはその一環だ。 また今年十月には、一九九九年七月に揚陸艦クリ・テルク・バンテン号が北部のダーウィンに寄港して以来絶えていたインドネシア海軍艦艇のオーストラリア寄港が実現した。同軍の警備艇二隻が五年ぶりにダーウィンに寄港したほか、フリゲート艦、小型警備艦など別の三隻がオーストラリア南西部のパース近郊のスターリング海軍基地に寄港。両国海軍の関係の再構築が示された形となった。

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