乾杯の笑顔の裏には…… (C)AFP=時事
乾杯の笑顔の裏には…… (C)AFP=時事

 オバマ米大統領が3月20日から23日までの4日間、イスラエル、パレスチナ自治区、ヨルダンを訪問した。歴訪は無事に終わったが、舞台裏ではイスラエル大統領官邸の饗宴料理をパレスチナが批判するなど、双方の間で展開されている文化戦争の一断面をのぞかせた。

 オバマ大統領の訪問を控えた3月中旬、イスラエル大統領官邸はペレス大統領が21日夜に催す歓迎晩餐会のメニューを明らかにした。それによると「イスラエルの典型的な地元料理」で、前菜は〈ファラフェルの団子とフムス〉、主菜は〈ラムチョップにキノコを詰めたズッキーニの花添え〉、デザートは〈果物とイスラエルのチョコレート〉だった。

 これにパレスチナの人々から批判が起きた。問題視したのは前菜。ファラフェルはゆでたヒヨコマメを潰し、団子にして揚げたもの。フムスは同じヒヨコマメをペースト状にし、ニンニク、練り胡麻、オリーブオイルなどを加えた一品。

 イスラエル占領下の東エルサレムにあるパレスチナ系の国際問題研究所のマフディ・ハディ所長はアラブ紙のインタビューにこう述べた。

「イスラエルはわれわれの土地を奪った上に、今度は料理文化を奪おうとしている。ファラフェルとフムスはオスマン帝国支配下の16世紀ごろに生まれた料理で、イスラエルとは何ら関係ない」

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