十一月二十日、チリ・サンティアゴでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際に行なわれた米中首脳会談で、会談場所をめぐり鞘当てが演じられた。 中国側は当初、胡錦濤国家主席の宿泊先であるサンティアゴ・マリオット・ホテルで会談を行なうよう主張。米側はブッシュ大統領の宿泊ホテルのハイアット・リージェンシーに胡主席が来るようにと譲らず、意地の張り合いになったらしい。 結局、中国側が国家元首としては「先輩」であるブッシュ大統領の顔を立てた形で、大統領の宿泊先に赴くことになった。会談では両首脳ともにこやかに握手をかわし、胡主席は直前に再選を果たしたブッシュ大統領に祝福を伝え、それぞれが訪問を招請するなど、良好な米中関係をアピールしてみせた。 会談後、米政府関係者は「中国の強情さには驚いた」と漏らした。今回、中国側が会談場所にこだわったことは、九月に江沢民前主席に代わって党中央軍事委員会主席に就任し、名実ともに中国のナンバー1となった胡主席の自信の表れともみられる。

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