UFJとの経営統合に執念を燃やす三井住友フィナンシャルグループが、UFJホールディングスの筆頭株主になった米投資ファンドに接近している。 この投資ファンドは、かつてNECなどの筆頭株主として名前が挙がったキャピタル・リサーチ・アンド・マネジメント・カンパニーグループ。UFJ株の九・八三%を取得済みだ。 三井住友FGは株主提案権を得るため、UFJ株三百株をすでに取得済みだが、「キャピタル・リサーチに働きかけて株式譲渡の交渉を検討している」(三井住友銀関係者)という。キャピタル・リサーチにとってUFJ株の取得は「利益を目的とした純投資」で、「UFJ株が高い値段で転売できれば、売却相手がどこであろうとかまわない」(キャピタル幹部)。 三井住友FGは他のUFJ株主に対して、二〇〇五年六月のUFJホールディングスの株主総会で、経営陣の進める三菱東京フィナンシャル・グループとの経営統合に反対するよう働きかける用意をしている。キャピタル・リサーチについても「UFJの株主総会までに株の譲渡を受け、総会で一気に発言力を高める」(関係者)狙いがあるようだ。 もっとも、大逆転実現の可能性は高くないとの見方がもっぱらだが。

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