パキスタンの「原爆の父」と呼ばれる科学者アブドル・カディル・カーンを中核とする核の闇ネットワークについて、国際原子力機関(IAEA)などが調査を行なっている。だが、関係各国は非協力的な態度を見せており、実態解明がうやむやになる可能性も出てきた。 ウィーンのIAEA関係者によれば、パキスタンのムシャラフ政権は当初、闇ネットワーク解明に協力する姿勢を見せていたが、このほどIAEAが要請したカーンへの事情聴取を許可しないと通告してきた。 イスラマバードの消息筋によれば、カーンがかつてイランの核開発計画を技術支援し、それをパキスタン政府が黙認していたことが公になることをムシャラフ大統領が恐れ、カーンとの面会を認めないのだという。 一方、カーンの腹心で、現在クアラルンプールで拘留中のスリランカ人ビジネスマン、ブハリ・サイド・アブ・タヒルとの接触も、マレーシア当局によって拒否されている。 ブッシュ大統領は両国の非協力姿勢に業を煮やしており、二期目のスタート直後から、各国に強い態度で臨む意向という。

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