4月19日、FBIがホームページ上で容疑者として公開したツァルナーエフ兄弟の姿 (C)時事
4月19日、FBIがホームページ上で容疑者として公開したツァルナーエフ兄弟の姿 (C)時事

 4月15日に発生したボストン・マラソンの爆破事件で、2人の兄弟の容疑者のうち、兄のタメルラン・ツァルナーエフ(Tamerlan Tsarnaev)が銃撃戦で死亡し、弟のジョハル・ツァルナーエフ(Dzhokhar Tsarnaev)が負傷して逮捕された。注目されるのは、どのような思想的背景に基づく犯行なのかであり、組織的支援があったのか否かである。イスラーム主義的なジハードの唱導に影響された、「グローバル・ジハード」のなんらかの影響下にある事件なのか。あるいは米国で多種多様に存在する過激・暴力的・反社会的な思想に影響を受けた米国固有の事件なのか。この問題への回答の如何によって、米国の社会と政府の対応は変わってくるだろう。

 これに関して、気になる報道がある。逮捕された弟が、「アル=カーイダ系の英語ウェブ雑誌『インスパイア(Inspire)』から情報を仕入れた」という供述をしているというのだ【NBCニュース・ウェブサイト4月23日付「ツァルナエフの電話、コンピュータの捜査からは共犯者の存在は見られない、情報筋」】【続報】。これらの記事によれば、ジョハルは捜査官に対して、兄弟だけで犯行を行ない、圧力鍋による爆弾の作り方はインターネットから仕入れたと供述しており、『インスパイア』から爆弾の製法を学んだとも供述しているという。

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