中国が、ミャンマー領のココ諸島に置いている電波傍受施設の再建に取りかかった。施設は昨年暮れのインド洋大津波で若干の被害を受け、十日間閉鎖されていた。 ココ諸島はインド領アンダマン・ニコバル諸島の北に位置し、大小二つのココ島からなるミャンマーの領土。ところが、中国は一九九四年にミャンマーとの間で租借契約を締結。以来、いずれの島についても実効支配を続けてきており、ロシア製の強力なレーダーと、電波傍受施設を設置している。 のみならず、中国は近隣のマンアン、ハインギー、ザデトチの各島にも無線傍受のための通信設備を保有。さらに消息筋によれば、小ココ島に小規模の滑走路を建設する特別協定まで結んだ模様だ。 インド空軍の軍事施設があるアンダマン・ニコバル諸島からココ諸島まではわずか数十キロ。中国はココ諸島やその周辺から、インド軍ばかりかマラッカ海峡―インド洋にかけての米軍の動きも監視できる。 昨年末の津波では、カー・ニコバル島のインド軍施設が壊滅的な被害を受けた。一方、ココ諸島の中国軍施設は、高台にあったためか、損害は小さかったという。

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