産業再生機構のダイエー支援企業選定で、イオン、丸紅、再生ファンドのキアコンが最終選考に残った。この三者のうち頭ひとつ抜け出したのが丸紅だ。 再生機構は食品スーパーの新規出店をダイエー再生の軸に据えているが、丸紅が再生機構に対して提出した再生案は「機構案の丸飲み」(機構関係者)と言われる。ダイエー傘下の食品スーパー、マルエツの第二位の株主でもある丸紅にとって、ダイエー支援は商権を守るためにも「星に願っても実現したい」(丸紅関係者)ところだ。 対照的に、イオンのダイエー熱は急速に冷めている。支援申し入れは、ライバルのイトーヨーカ堂にダイエーを取られないための防衛戦略だったが、そのヨーカ堂が二次入札で落選。また、イオン内部には、経営破綻したヤオハンやマイカルの再生という実績のあるイオン流の手法も、ダイエーには「効力がない」との見方が出ている。理由は、ダイエー従業員の危機感のなさ。そもそもダイエー側には、格下だったイオンの傘下に入ることへの拒絶反応がある。 ダークホースのキアコンは、ユニクロ(ファーストリテイリング)元副社長の沢田貴司氏が直接ダイエーに乗り込んでの再建を望んでいる。「巨大流通企業の再生を託すにはリスクが大きい」との指摘も出ているが、一方で、沢田氏の手腕は捨てきれないとの声も根強い。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。