ドイツは八方塞がり

執筆者:名越健郎2005年3月号

 かつて欧州の機関車と呼ばれたドイツが、すっかり「病人」になってしまった。500万人を超えた失業者や基幹産業の不振、税収減。財政赤字が膨張し、欧州連合(EU)の欧州委員会から警告を受けたほどだ。シュレーダー首相の評価も地に落ち、与党・社会民主党(SPD)は地方選挙で惨敗続き。首相が失業者から平手打ちをくらったこともあった。 ドイツでは、「ざまみろ。引っかかっただろ」と叫ぶシュレーダー首相の物まね役者が人気だ。前回総選挙で、甘言に惑わされて同首相を再選させた国民の切歯扼腕が読み取れる。 シュレーダー首相が失業した建築家を慰めた。「わたしが首相を辞めたら、君に家を建ててもらおう」「あなたが辞めたら、すべての国民が家を建てられるようになります」 教師が生徒に父親の職業を尋ねた。 生徒A「失業中です」 生徒B「自動車工場の臨時雇いです」 生徒C「ホモ・バーのストリップダンサーです」 教師は放課後、生徒Cにただした。「君のお父さんは本当にホモ・バーのダンサーなのかい」 生徒C「ごめんなさい。嘘でした。本当は社民党の支部長なんだけど、恥ずかしくてとても言えなかったんだ」 ある会社社長が友人に言った。

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