権威主義的な中国とロシアは、独裁体質、反体制派抑圧、上意下達など非民主的政治構造で一致するが、両国を比較すると、「中国の方がロシアより民主的で、政策決定プロセスは中国がはるかにすぐれている」とする分析をブルガリアの政治学者が最近まとめた。首都ソフィアにあるリベラル戦略センターのイワン・クラスチェフ所長の興味深い英文の論説は、以下のサイトで読める。

http://opendemocracy.net/author/ivan-krastev

 ロシアはソ連崩壊後、民主憲法を採択。欧米並みの複数政党制、民主選挙の原則をうたっているが、同所長は「中国は社会主義を偽造し、ロシアは民主主義を偽造している。中国は個人支配と恒久政権を防ぐシステムが機能している」とし、プーチン大統領の個人独裁がロシア政治を退化させているとの認識を示した。中国の経済、社会が、ロシアより活性化しているのは、中国の「擬似社会主義」によるものとの見立てだ。

 西側先進諸国は民主政体を掲げるロシアの方が民主的とみなし、中国に先駆けてG8サミットに参加させたが、同所長は「中国がロシアより民主的な理由」として以下の5点を挙げている。

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