今年5月27日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」を見て驚いた。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の現地指導が1面、2面にわたり報じられたが、驚いたのは現地指導の対象が、朝鮮人民軍が北朝鮮南東部・江原道の馬息嶺(マシンリョン)に建設している広大なスキー場だったことだ。

 馬息嶺は日本海側の主要都市・元山の奥にある山間部だ。ここに数十万平方メートル、総延長110キロメートルに達する、幅40メートルから120メートルのスキー場を建設していることが、この報道で確認された。普通であれば10年掛かる工事を、軍人たちが1年にも達しないうちにやり遂げたという。

 労働新聞は「わが人民に文明的で幸福な生活条件を準備されるために心遣いされた敬愛する最高司令官同志におかれては、雪がたくさん降り、スキー場として適した地帯である馬息嶺に、自慢すべきスキー場を建設することを直接提起し、その課題を人民軍に下された」とした。このスキー場建設工事は金正恩第1書記が直接指示したものなのだ。

 金正恩第1書記は「勇敢さと敏捷性を育むスキーは、専門選手だけでなく、子どもから大人まで皆が好むスポーツである」とし「馬息嶺スキー場が完成すれば全国にスキーブームが起こるだろう」と語ったとされる。

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